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なとりうむ氏(25年度合格)の体験談!

2012年7月に東大編入合格した、なとりうむ氏から体験談が送られました。

第三号ですね。
なんでも今年は2名の体験談で終わるのが嫌だった(!?)らしく、書いてくれました。
1〜2週間後って言ってたのに、メールチェックしたら2日後にはついていたという・・・

いやいや、小山太郎。心の準備が出来てないですよ。
ドキドキですね。ってあ、違うか。

あ、くだらない前置きはいいから、早く見たいって?
下にスクロールしましょうかね。

2012.09.01 更新

〜小山太郎流〜に報告メール着 

なとりうむ氏:
今年度の編入学試験、計数工学科に合格しました"なとりうむ"と申します。

(・・・小山太郎@勝手に中略・・・)

・・・小山さんに体験談を送るのは(地域)から初なのかもしれません(;´Д`)

# ちなみに"はじめまして"と書きましたが、以前掲示板で一度質問したことが
# あります(「そでぃうむ」とかそんな感じの名前で)。覚えていらっしゃいますでしょうか??

小山太郎:
そでぃうむ・・・うん。
検索しましたよ。おぉ〜満点取る勢いで頑張ったわけですな^^
いやはやますます素晴らしい!!
おっと、これは体験談編集時のネタになるな(笑)

さて、そんだけの意気込みで受けた試験なので合格したってとこですかね。
と、同時に成績開示も送ってくれて、見てびっくり!
おいおい、めちゃくちゃ高得点じゃないの!!
まぁ、とにかくいってみようじゃないの。


【きっかけ】  

自分が中学生の時、「高専という学校では早い段階でプログラミングを学べるらしい」「楽に大学に編入が出来るらしい」といった情報を得て高専に入学することにしました。
そのため元々卒業後は大学に編入する気満々で、4年の半ばくらいまでは東大の2年次編入を避ける為に東工大に編入することを考えていました。
しかし東大・京大に編入された卒業生の方から「2年次編入は寧ろメリットだ」という主旨の言葉を多数頂き、また日本情報オリンピックを始めとするプログラミングの大会で知り合った高校生の多くが東大に進学したのもあって、自分も東大を目指してみようかという気になりました。
最終的には将来の専門分野を数学・情報・物理で悩んでいた自分に東大の計数工学科という学科が合いそうだと考え、東大を受験することを決めました。


【初期状態】 

1年から3年までは特に編入に向けた勉強はしていませんでした。しかし数学と物理は好き自分で授業の関連分野を勉強したりしていました。英語は、DUO 3.0という単語帳が良いと聞いて1年の頃に購入したのですが、サボりにサボりまくって、結局一周目を完遂したのは4年冬になるという悲惨な状況でした。
4年の4月に受けたTOEIC IPは545(L240, R305)でした。

席次は1、2年の時は5〜8位あたり、3年の時は3位、4年では1位でした。国語や社会系の科目が苦手なので、学年が上がってそれらの科目が少なくなっていくと次第に席次が上がっていきました。


【3年春休み】

取り敢えず「これから1年間以上ガッツリ勉強するんだから、まずは基礎からやらないといけない」と思っていました。当時はまだ東工大を第一志望としていたので、数学・物理・化学・英語の4科目をやる必要がありましたが、参考書や問題集にお金をかけないスタンスで行きたかったので、学校の授業で使用した教科書と問題集を解き進めました。
英語は学校で買った文法書とDUO 3.0 を進めました。

ところが3日間ほど勉強をした時点で、東京の企業にバイトをしに行く事になり、またその間地震があったりしてゴタゴタしたので結局春休みはほとんど勉強ができませんでした。ちなみにこの時東大の一般入試の合格発表を覗きに行って、サークル勧誘のチラシをたくさんもらいました。


【4年前期】

春休みも終わったので気を取り直して勉強を再開しようと思ったら、1〜2週間ほど勉強した時点で自動車学校に入校することとなり、そちらの方で疲れたからいいやという言い訳を作って日々の勉強を疎かにしていたのでほとんど進みませんでした。
また夏はインターンシップや旅行に行き、夏休み明けの9月は試験や学校の旅行があったので結局ほとんど勉強できませんでした。


【4年後期開始〜冬休み前】

そろそろいい加減やらないとまずいという危機感を覚え始め、半月くらい勉強しました。しかしその後文化祭や試験があったり、12月末に開催された全国高専プログラミングコンテスト(プロコン)のプログラムを作るのに時間を費やしてしまったため勉強に回す時間をほとんど確保できませんでした
10月に受けたTOEIC IPは540(L255, R285)でした。勉強できていなかったので当たり前ですが、点数がほとんど伸びていなかった(寧ろ若干減った)ので英語の勉強が間に合わないと思って焦りました


【4年冬休み〜春休み前】

冬休みはプロコンの反動であまり動きませんでしたが、冬休みが開けてからようやく本格的に勉強を再開しました。勉強の内容は以前の続きで

【英語】
学校の文法書とDUO 3.0 (この頃ようやく1週目が終わり2週目に入りました)

【数学】
1〜3年で習う(主に高校数学に相当する)内容

【物理】
高校物理を学校の教科書と問題集を用いて復習していました。

ちなみにこの頃既に第一希望は東大にしていましたが、東工大を併願することも考え一応化学の勉強も続けていました。
当時の勉強量は1日あたり4〜5時間程度だったと思います。
1月に受けたTOEIC IPは650(L275, R375)でした。リスニングが苦手です。


【4年春休み】

前述のプロコンの賞品で1万円分の図書カードを頂いた為、今までの”あるものを使う”勉強法から脱出して色々本を買うことが出来るようになりました。
数学と物理は引き続き以前の内容の復習でしたが英語はDUO 3.0 に加え「一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス) 」を購入し読み進めました。一年前に出た新しい本なので去年以前の体験談では使ってらっしゃる方が居ませんが、英文法の感覚的な理解を助けてくれる良書だと思います。
勉強時間は1日あたり5〜12時間程度でした。またこの頃から東大一本に絞り、化学をやらないようにしました。
当時、数学や物理の勉強はまだ良かったのですが、英語を勉強するのをとても苦に思っていた時期がありました。そんな中で、春休み中に一週間ほど、プログラミングの大会のようなものでシンガポールに行く機会がありました。
現地の学生の方と交流したのですが、自分はリスニングが苦手で、簡単な英語ですらうまく聞き取れませんでした。しかし自分の言いたいことを頑張って伝えようとしていくうちに、英語が「受験をパスするためだけに必要なつまらない教科」から「知らない世界の人達とコミュニケーションを取るための道具」に明確に変わったのを覚えています。
この大会を経て、英語を勉強するのが楽しくなりました


【5年4〜6月】

春休みまでで数学・物理共に高校範囲の復習が終わったので、新しい問題集等に取り組みました。

【英語】
長文対策に ビジュアル英文解釈 (Part1) (駿台レクチャーシリーズ) , (Part2)
英作文対策に 大矢英作文講義の実況中継―高2~大学入試 (実況中継シリーズ)
リスニング対策に 灘高キムタツの東大英語リスニング (英語の超人になる!アルク学参シリーズ)
をやりました。ビジュアル英文解釈は時間の都合上結局PART Iの途中までしか読み進められませんでした。東大英語リスニングは難しすぎて泣きそうになりました。
4月に受けたTOEIC IPは700(L325,R375)でした。

【数学】
部室に徹底演習が置いてあったので、それを借りて解き進めました。また1周終わってからは、新編 高専の数学3 第2版・新装版 の微分方程式のところだけを解きました。

【物理】
学校の授業で大学教養程度の力学、電磁気学は学んだのですが、熱力学はカリキュラムに入っていなかったので、部室にあった本を使って熱力学の勉強をしました。その後サイエンス社の基礎物理学演習 (1) (ライブラリ工学基礎物理学 (別巻=1)) とIIの力学(材料力学と流体力学は除く)、電磁気学(電磁波は除く)、熱力学を解きました。生じた疑問はそのままにせず、まずは自分で考えて、それでも解決しなかったら先生の所に持っていくようにしていました。


【試験直前】

【英語】
過去問を2年分ほど解きました。全文和訳と読解はまだ何とかなりますが、英作文が全然出来なかったので、かなり危機感を覚えていました。試験1週間前に駆け込みで工業英語ハンドブックを覚えようとしました。リスニングに関しては簡単という情報を信じて目をつむっていました。

【数学】
過去問を3年分ほど解きました。どれも時間をかければだいたい解けますが、時間内に終わらなかったものが多いのでやばいと思っていました。

【物理】
過去問を3年分ほど解きました。物理は年によって難易度の差が激しかったように思います。どの年も計算量自体は多くなかったので解ける問題はパッと解けますが、解けない問題はどれだけ考えても答えがよく分からなかったです。大問3は毎年分野がブレますが、熱力学はそこそこ勉強したし、波動や原子分野は出たとしても高校程度の知識があれば解ける問題だろう思っていたので三教科の中で一番安心していました。


【試験】

前日あまり眠れず、試験の朝に強強打破 を買ったりしました。試験自体は大会でピリピリとした空気は慣れていたので、そこまで緊張しませんでした。

【英語】

  1. リスニング(資源・環境問題と貧富の差について)。ゆっくりといえば確かにゆっくりでしたが、聞き取れて問題を解けるかはまた別で、なんとか6割は解けたかな?という感じでした。
  2. 全文和訳(用いる言語による思考への影響について)。内容の理解は容易かったですが自然な日本語にするのが難しかったです。
  3. 英作文(リスク論について)。時間がなく焦っていたので頭の中に浮かんだ単語をひたすら並べました。
  4. 長文読解(数字の持つ意味について)。割と簡単でした。
  5. 英作文+自由英作文(自然災害と耐震補強工事について)。「台風」を”tyhoon”と書きました。

一応全部埋めましたが、感触としては全体で6割程度、なんとか取れたかな?という感じでした。

【数学】

  1. 定数係数二階線形微分方程式の特殊解と、フーリエ級数展開。微分方程式の方は簡単でした。フーリエはある級数の収束値を求める問題があったのですが、終了直前に見直したら明らかに答えが間違っていました。
  2. 1次元ランダムウォークの確率問題。といっても確率は前半だけで(すごく簡単)、後半は無限和の2乗を展開したり、テイラー展開をしたりする重い問題でした。確率は得意分野だったので、確率らしい問題が出ず残念に思いました。
  3. 反角柱が重なった立体の側面積を求めて極限を取る問題。このタイプの問題は出たことがなかったので驚きましたが難しくはなかったです。
  4. 複素関数。
  5. ケイリー・ハミルトンの定理のような3次正方行列の問題。

10分程時間を余らせて、全部解くことができました。9割程度は合っていると思います。

【物理】

  1. 斜方投射の問題。放物線の包絡線を求める→微分する→連立微分方程式を解くといった重い問題の連続で辟易しました。
  2. 斜面上を導体棒が運動する問題。問題自体はそれほど難しくなかったですが、これも連立微分方程式を立てて解いたりするような問題が多く、計算に時間がかかりました。
  3. 量子力学。一次元井戸型ポテンシャル上でのシュレディンガー方程式の求解など。問題用紙を見た瞬間に\(^o^)/ってなりました。量子力学は完全にノーマークだったのでほぼ白紙。

大問3がまさかの量子力学だったショックで他の問題を失意の中で解いたので、試験終了後計算が合っている気がしませんでした。出来は恐らく4〜5割程度かと。

【面接】
・東大を選んだ理由
・計数工学科に入ってから学びたいこと
・部活動について
・体育は苦手?
・コンピュータ以外に興味のあること
だいたいこのような内容で、10分もかからずに終わったと思います。


【試験結果】 

第一希望:計数工学科
第二希望:物理工学科
第三希望:機械系学科群

で出していましたが、物理が全然出来なかったので、恐らく合格しても物理の必要ない機械系学科群になると思っていました。しかし、無事に計数工学科に合格することが出来たので、今年は物理の点数が全体的に低く、ボーダー自体が低くなった?とかだと思います。

ちなみに成績開示も行いました。

英語442/500 数学455/500 物理175/300
数学は概ね予想通りで、物理は予想より少し高かったです。英語が高い理由は謎ですが、一応全部埋めていたのでかなり拾ってくれたのでしょう。少なくとも英語に関しては、恐らく、一部の問題を丁寧に解くよりも、多少荒くとも全体を埋めた方が点数は高くなる傾向にあるようです。「埋めたもん勝ち」ですかね。


【思ったこと】 

自分は基礎の勉強に時間を費やしすぎたので、応用問題の演習を行う時間が少なくなってしまったと感じています。理論を基礎から理解するのはすごく大事なことですが、ある程度基礎が身についている場合は無理に基礎固めに固執せず、残された時間と相談してやることを決めるべきだと思いました。
あと春休みにシンガポールに行ったのはかなりの正解でした。時期が時期だったので正直行くのを迷っていたのですが、英語学習のモチベーションを大きく改善することが出来ました。英語の学習が続きそうにない人は、一人で黙々と続けるだけではなく、誰かと英語を使って会話してみたりするとモチベーションが持続するかもしれません。
それと物理に関して。。。3問目、謎ですね。正直来年度以降の問題が全く予想できません。3問目は分野がブレますが、その分野の中でも基礎的な問題が出ることが多い気がするので(実際今年も分野こそ量子力学でしたが、問題そのものは量子力学を学んでいれば誰しもが一度は解く基礎的なものでした)、物理3問目対策としては「広く浅くさらっておく」のが良いのかもしれません。

小山太郎:
さーどうでした?
基礎の勉強に時間を費やしすぎと書いてありますが、小山太郎的には、基礎がしっかり出来てるからこそ、高得点につながったんじゃないかと思ったり^^
それぞれの期間の内容見ても、本番でここまで得点出来るような内容ではない気が(汗)
もちろん、それを使いこなす応用もやるべきですが、改めて基本の大事さが伝わる内容な気がしますね。

東大の一般入試の合格発表見に行ったっていいね!ru_pe129氏もそうだけど、現場を肌で感じるっていいと思います!小山太郎も受験を決めて実家に帰る前に本郷キャンパス行って、都会なのに緑が多いし空気が違う環境に自分を置いて「ここいいな」と思ったもんです。
シンガポールの話もそうだけど、やる気になるきっかけは普段と違うことをすると見つかるかもしれないですね。

しっかし、東大編入だと2年からというのをデメリットとして見る人がまだいるかもしれませんね。これは昔から、掲示板や問い合わせメールにも、時々出てきてた話です。

でも、実際に編入した先輩が2年時編入は寧ろメリットという事実を言ってくれるのは心強い!実際、2年時、3年時編入なんか入ってしまえば全然関係なくなると思います。なので、編入考えていて、2年時編入にネガティブなイメージを持っている高専生!これをもとに大学を選ぶのはやめましょう!


参考書一覧


英語

言わずと知れた単語帳。使うなら復習用CDも。

新しい本。英文法の感覚的な理解を助けてくれます。

一応読んだけど内容が身についたかはアヤシイです。

出来るなら周回プレイしたいところ。

めっちゃ難しかったです。

表現を覚えると英作で役に立つ場合がありそうです。
 

数学

微分方程式、線形代数、複素関数、確率は他の本で補う必要があります。

微分方程式のところだけを解きました。

物理

まあまあ分かりやすかったです。

大学教養程度の物理の演習には良いです。しかし解くのが大変なだけな問題も多いので解く問題を選んだほうが良いかもしれません。
 

 


〜小山 太郎流〜