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ぼす氏(24年度合格)の体験談!

2011年7月に東大編入合格した、ぼす氏から体験談が送られました。

ぼす氏は、同じ時期に受けたうえ氏と同じ高専で、しかもライバルとしてお互い向上してきたようで!良い環境だ!
まぁそんなことはいいのだが、3月12日は小山太郎の誕生日だと知っている人は多いはずなのだが・・・
小山太郎流をしっかり見ている人ならな(ニヤっ)
まぁ、ドMな小山太郎の性格を知ってか、例年いろんなメールをくれるが、歳男の誕生日に編集すれってかーーー!

これを読んで合格し、体験談送ってくるものよ。
3月12日に体験談送るのはやめるんだぞ。いいか、3月12日には送ってくるなよ!?
(ふ、深い意味はないぞ)

とりあえず軽く放置してから編集したのであった。

2012.03.13 更新

〜小山太郎流〜に報告メール着 

ぼす氏:
お久しぶりです。
うえ君の体験談に出てくるS君こと、○○高専のぼすです。
編入飲み会ではお世話になりました。
一応体験談の草案はあったのですが、例年の人と同じような内容になってしまったし、うえ君とも内容被るし、卒研死にそうだし…と思っていたらこんな時期になってしまいましたorz
卒研も終わったこの時期に、初心に戻ってみると、「俺、受験受かったら小山さんのサイトに体験談乗っけるんだ!」と考えていたことを思い出し、草案を修正したものを、本メールにて送らせていただきました。
大変遅くなってしまいましたが、もし小山さんさえよろしければ掲載していただけないでしょうか?
編入試験では、第一志望であった計数工学科は不合格で、第二志望だったシステム創成学科に合格したので、そちらに進学させていただくことになりました。

小山太郎:
正直、ここ編集するときに、どう面白くネタ要素を入れるかってのは毎度考えること。(実際そんなに考えていないが)
だが、今回はネタになる種をまいてくれたってのは、やるな!ぼす氏!


【きっかけ】  

恥ずかしい話ですが、1、2年の頃は学校には仮眠しに来ている状態でした。3年の頃に、元々数学が好きだったことに加え、プロコンへの出場経験の影響を受けて、大学に入って応用数学を学び、研究していきたい、と考え始めました。
そこで、編入の第一目標を「東大で転科して応数分野を学ぶ」と定め、この分野について将来的に研究できそうな、計数工学科、システム創成学科を志望しました。 元々の専攻は電子工学でした。


【初期状態】 

4年間通してGPA4.0でした。しかし、クラス全体で非常に成績が悪かったときに行われた全体再試などに何度か乗っかっており、実力的にはもう少し低いハズです。テストの成績的にも、かろうじてGPA4.0、という方が正確ですね。
そのせいか、編入間近で、学生実験も大変だった5年前期はGPAが2.4程度まで一度落ち、さらには1単位Dがついています・・・。
ただ、数学は2年後半から徹底的に勉強するようになっており、これだけは自信を持っていました。


【3年】 

教科書だった矢野健太郎の「微分積分」をひたすら解いていました。この頃は編入に特化した勉強というより、日常の勉強というスタイルだったと思います。また、マセマの線型代数で線型代数を復習し、「微分方程式の基礎 」で微分方程式、ラプラス変換について勉強していました。
その他、何を思ったか定本 解析概論みたいな大学数学の厚手の本を読んだりしていました(笑)
ただ、こういった本を読んでから数学に対する考え方が変わったので、まだ時間がある、という人はいっぺん呼んでみると面白いと思います。

一日平均:4〜8時間


【3年夏休み明けまで】

【数学】
高専の数学 3 問題集 (第2版)に注力し、3週ほどやり込みました。また、後期やる予定だったベクトル解析、複素解析について予習していました。

【英語】
英語も勉強するようになりました。まず総合英語Forest 6th editionを3周読み、その後Forestの問題集を3回解いて文法を固めました。また、通学途中の電車や研修旅行の移動中もずっと「試験にでる英単語―耳から覚える」を読んでいました。この頃からキムタツの東大英語リスニング BASIC (英語の超人になる!アルク学参シリーズ)に取り組んでいます。

一日平均:4〜8時間


【4年春休みまで】

【数学】
数学をさらに固めていきました。大日本図書の確率統計で大学範囲の確率を、細野真宏の確率が本当によくわかる本―数I・A (1週間集中講義シリーズ)で高校範囲の確率を完璧にしました。大学編入試験問題 数学/徹底演習 (第2版) - 微分積分/線形代数/応用数学/確率もやったのですが、周囲の評判通り問題の質が悪いと感じたので、パッと見で解き方が浮かばない問題以外(8割くらい)は全て飛ばしました。

【英語】
英語も、文法・英単語からもう少し進んだ範囲に取り組み始めました。「ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式」を3周して英文読解を固め、熱血教師キムタツの東大英語基礎力マスター Vol.6基礎英作文実況講義篇 (講談社の学習参考書)の本を読んだりしていました。リスニングや英単語も継続していました。

【物理】
ようやく物理を始めたのもこの頃です。学校の教科書だった「これからスタート!電気磁気学―要点と演習」と「基礎電磁気学」で勉強していました。

一日平均:4〜8時間


【4年春休み】

地震が来てかなりペースが崩れてしまいました…。

【数学】
この時点で数学は大丈夫、少なくとも6割くらいならいけるだろうと思っていたので、物理を集中的に勉強していました。

【英語】
また、英語も理工系の英語などを使い、工業系の英語で英作文もできるように取り組んでいました。

【物理】
基礎物理学演習 (1) (ライブラリ工学基礎物理学 (別巻=1))の例題だけ、ひたすら考え方を理解して解けるようにしていました。

一日平均:8〜10時間


【5年】

今までの一夜漬けスタイルによる勉強が祟り、学生実験で大苦戦していました。心労が溜まり、行きたいから勉強する、というより今まで勉強してきたから続ける、という状態でした。

【数学、英語、物理】
微分方程式の発展的内容や、英作文の仕上げなどに取り掛かっていました。過去問をこの頃になってようやく解いたのですが、数学・英語はまだしも、物理がかなり悲惨な状況で、電磁気だけ出来る、と言う状況でした。量子力学は基礎物理学演習 (1) (ライブラリ工学基礎物理学 (別巻=1))の問題を見て切り捨てました(汗)

一日平均:3〜4時間


【試験間近】

学生実験でクラス単位で叱咤される日々が続いており、精神的に参っていました。殆ど勉強できていないです。

一日平均:0〜2時間


【試験】

試験間近に勉強していない自分が受かる訳がない」と内心諦めていました。そのせいかリラックスして問題に取り組めたと思います。

【英語】
そんなに難しくなかったと記憶しています。英文読解は英語以前に国語力が足りないなと感じました(汗 出来は良ければ7割、悪くても6割はいってるハズです。

【数学】
微分方程式がかなり怪しく、確率は式変形でドツボにはまってうまくいきませんでしたが、 他は自信を持って解答できました。以前やった問題集や、ムダと思いつつもやっていた複素数の証明が多数出てきたのは本当にラッキーだったと思っています。手ごたえとしてはダメでも6割、良ければ8割でした。

【物理】
「相対性理論」の5文字を見た瞬間落第を確信しました(笑) 力学の問題も殆ど歯が立たず、何とか電磁気だけ完答した感じです。ただ、冷静になってみてみると、量子論っていうかただの電磁気の問題だったので、もうちょい冷静になれれば解けたハズなのに…と今でも悔やんでいます。出来は奇跡がおきていればかろうじて6割、実際は恐らく5割もいっていないと思います。

試験当日(面接試験)
面接で聞かれた内容
・学科を志望した動機
・電磁気より電気回路の方が得意?(多分最後のコンプトン効果の部分の失敗について聞かれたのだと思います…)
・部活動(プログラミング同好会)の活動について
・今まで取り扱った言語
・今までに作った作品の説明


【勉強について】 

どの科目もそうですが、「何を理解していなかったから間違えた」というのを必ずハッキリさせていました。数学であれば定理の証明は全て本を使って調べましたし(もちろんその結果理解を諦めた定理もありましたが…)、英語であっても「この単語を知らなかったから」「この文法を間違えて理解していたから」など、反省点は必ずあります。その反省点を改善していけば、必ず類題が出てきても解けるようになります。
逆に、ひたすら問題の解答だけ覚えるようになってしまうと、捻った問題が出たときに大変です。特に、問題を理解するために何回も解いていると、いつの間にか正答を叩き出すことが目標になってしまいます。そうでなく、あくまで理解することが重要だと念頭に置いておくと、結果的に近道なのかなと5年間を通して思いました
僕の量子力学に対する取り組み方のように、ヤマは張らないでください(笑)実際はその分野について知らなくても解ける問題でも、「ヤマを張っていないところから出た!」と本番中に認識すると凄い動揺します。簡単な問題だけでも全範囲さらっておいてください。(軽くさらったところから、例年の傾向と違うけど基礎的な問題が出れば儲けモンです)
編入を主眼に置いた勉強は、正直4年夏休み明けからで十分だと思います。それまでは編入以前に「高専のカリキュラム上、あるいは普通の高校生なら出来て当たり前のこと」をやった方がいいです。僕は前半は自分の興味の赴くままに、後半は編入に特化し過ぎた結果、物理に非常に弱くなってしまいました…。
先を焦る気持ちはよく分かるのですが、基本的に予習はオススメしません。僕も一分野丸々予習したのですが、授業内容が全部分かっているので聞く気にならず、結果的に寝てただけでした(汗
よほど難しい授業の先生出ない限り、予習はせず復習で足元を固めておく方がずっといいです。


【思ったこと】 

先生方や友達のお陰で何とか受かったような印象です。特に、同じ編入を目指していたうえ君が居なければ、恐らく浪人していたのはないかと思います。本当に感謝しています。
実験や卒研で厳しかったとき、「編入で上手くいってもその後挫折する人も居る。そうならないためにこういう経験を積んでおくことも大事」と励まされたことがあります。5年になった当初は「なんで進路が決まるときにこんなに課題が出るのか…」と思っていたのですが、今思うと貴重な体験をさせて頂いたと思います。来年から受験する人も、課題の量にめげずに頑張ってみてください。終わってみるといい体験だったと思えます。
それにしても…物理はどうやって勉強すれば良かったのか、未だに答えが分かりませんorz

小山太郎:
さて、どうでした?

同じ高専に、東大編入しようとしていたうえ氏がいたのは大きいですね。
相談したいときに、同じ方向に向かっている人とタイムリーに相談できるというのはかなり良い環境です。
今、メールやもっとリアルタイムにSkypeなどあるけど、なんだかんだ言って伝えるのには起動するなどの手続きが1クッション入ってしまうし。この1クッションって案外面倒なんですよねぇ。技術は発達したとは言え、実距離の近さがこういうときはものを言う気がするな^^

高専によっては、東大編入を考えている人は同じ学年に一人しかいないかもしれない。小山太郎もそうだったけど、相乗効果が出るライバルを見つけるには、自分から少しは発信して繋がるきっかけを作る必要がある。
今はネットでも便利なツールがたくさんあるし、使いづらいけどこのHPの掲示板を活用してもいい。きっかけを作る行動力をつけると、大学生活もずいぶん面白くなるぞ!!

ぼす氏の体験談で特に共感できるのは、間違えたことに対してその原因を突き止め、解決していることですね。これ、小山太郎は昔本当にスルーしてました・・・
間違っていた問題も答えだけ知ってOK。これだと似たような問題が出たらまた間違えるという・・あぁ我ながら情けないが思い返すとそうだったなぁ〜

 


参考書一覧

量が多いので、主にコメントのある参考書だけ載せます。


※参考書は後輩に貸しているとのことで、ノート写真をいただきました。

英語

わりといい本だと思うのですが、英語の先生にこれの解答を持っていったところ、「それは間違っている」と断言されたことが数回ありました(汗)。ただ英作文に必要な知識は身に付くと思います。

ボブが可哀想な単語帳です。1周目はとりあえず流す感じで、何十周もかけて覚えていく感じ?

父から勧められてやっていたのですが、正直編入試験にはあまり向いていないような…

文法の定着にとても役立ちました。

英作文の解き方を取り扱った本。英作文で何書いたらいいか分かんないという人向け。

巻末の単語だけ、手などで意味か英語かを隠しながら、覚えている、覚えていないでチェックを付けて記憶していきました。

キムタツの東大英語リスニングで挫折した人向け。こっちの方が(まだ)簡単です。

来年以降もどうかは分かりませんが、本番のリスニング試験よりこっちの方がずっと難しかったです(笑)本番はスピードよりもボキャブラリーの方が重視されて居るように感じました。

数学

詳細な解答がないという問題がありますが、問題数が豊富かつ多様ですし、実力を付けるのに程よい難易度の問題が選ばれていると思います。問題は公式にぶちこめば終わるA問、応用問題であるB問、編入過去問であるC問で構成されています。B問、C問メインで取り組むのがオススメです。3は是非オススメしたいですが、1は編入試験に出題される範囲が殆どないので、4年になってからわざわざやる本でもないかな?という気がします。確率、複素数、微分方程式についてはもう少し詳しい本で補うといいと思います。なお、解答集として有名な「Give and take」ですが、わりと解答ミスが多いので、分からない問題は先生に聞いた方がいいです。

ボブが可哀想な単語帳です。1周目はとりあえず流す感じで、何十周もかけて覚えていく感じ?

最近新しく発売された本です。チャート式に近い、というとイメージされやすいでしょうか?基本的な問題について非常に詳しく、計算上のポイントまで抑えた丁寧な解答がついており、その下に類題がついているレイアウトになっています。また、章の最後にまとめとして章末問題がついています。問題数が少ないので、数学に自信がない人はこれの例題、類題で解き方のコツを身につけ、他の問題集の問題を解くと良いと思います。章末問題になるといきなりレベルが上がるので、そこだけ注意が必要です。

高校範囲の確率だけでなく、漸化式の解き方もある程度分かるようになります。とてもオススメです。

高専の数学問題集や徹底演習より、突っ込んだ範囲の微分方程式について触れてあります。

徹底演習の人が書いた線型代数の本。

基礎の復習に。

本文中で「3年のときに読んでいた」とありますが、その後も勉強中に難しい証明にあたった時は、解析入門Tと併せて参照していました。

半ばバイブル化されている徹底演習ですが、「実際に出されている編入試験問題」「高専範囲全てカバー」「初心者から実力を付けたい人まで」というコンセプトが喧嘩しているような印象でした。実力を付けるには煩雑すぎたり、あるいは簡単すぎる問題が多かったりするので、別の本で全範囲の基礎を固めてから、興味のある問題だけ解いていくのがいいんじゃないかと思います。
 

物理

誤植が凄まじいことになっていますが、自力でそれに気づけるならわりと使えます。
 

 


〜小山 太郎流〜