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雀氏(31年度合格)の体験談!

2018年7月に東大編入合格した、雀氏から体験談第10号が送られました。

今年の合格者の半分が体験談を書いてくれたことに!!
そして合格者の半分の体験談を編集したことに!!!!
頑張った俺。誰も褒めてくれないので自分で褒めるの図(編集するの当たり前でしょうが)

っと、体験談に早速行ってみましょう。

2018.11.18 更新

〜小山太郎流〜に報告メール着 

編入試験も終わり4カ月を過ぎようとしていた穏やかな11月某日
件名:体験談の投稿について

雀氏:
今年度東京大学工学部編入学試験に合格し、来年度社会基盤学科へ編入する者です。 私の編入学に関する体験談を是非小山さんのサイトに投稿させて頂きたいです。 今年中に掲載して頂ければなぁと思っています。

小山太郎:
どもども! まじか。今ごろ体験談ですかい・・・
とは言え合格して体験談投稿したいという後輩からのお願いを 断るわけにはいきませぬ!

(後は省略)

というわけで、11月中旬に体験談を編集する管理人であった。

雀氏:
僕は社会基盤学科に編入学予定の者ですが、現在高専で在学している学科は化学・材料系です。今年は体験談がたくさん投稿されているので自分のはいらないかなぁ...と思っていたのですが、ちょうど去年のこの時期に東大受験を決意したこと最近思い出し、また自分のように編入学によって専攻を大きく鞍替えする人の体験談をあまり小山さんのサイトで見かけなかったことも相まって、今回体験談を投稿させて頂くに至りました。


【きっかけ】  

【初期状態】
高専では化学・材料系の分野に在籍

席次(クラスは約40人)
1年 20位くらい
2年 30位くらい
3年 1位
4年 2位

部活動 4年の春までサッカー部

TOEICスコアの推移(すべて公開テスト)
1回目 4年9月  810点(L:430,R:370)
2回目 4年11月  925点(L:475,R:450)
3回目 4年1月  895点(L:460,R:435)
4回目 4年3月  960点(L:495,R:465) ※出願時に提出
ほか3年秋に実用英語技能検定準一級取得


【1年〜2年】 

ひたすら部活をやっていました。(あまり真剣に取り組んでいたとは言えないですが...) 
勉強はテスト前に適当にやって単位をギリギリ拾う程度にしかやってないです。
1年生の春休みに学校主催の2週間にわたるシンガポールでの語学研修に参加しました。このとき自分が伝えたい事をうまく伝えられず、とても悔しい思いをしたことを覚えています。英語の勉強で行き詰ったとき、この悔しさを原動力に頑張れたので今振り返ると研修に参加してよかったと思っています。


【3年】

諸事情(※1)あって真面目に勉強するようになりました。またこの年からはクラスにやってきた留学生のチューターの仕事も受け持つようになりました。
授業だけで内容を理解するようにし、部活の後は課題やレポートだけをやっていました。2年間勉強をサボってきた自分にとって部活をやりながら勉強にも取り組むのはしんどかったですが、3年のときに頑張れていなかったら一生怠けて終わっていたと思うので人生の分岐点にいたのかなと思います。
秋には英検準一級に挑戦し、ギリギリではありましたが独学で合格することができました。全国の高専3年生を対象とした数学・物理の学習到達度試験は、物理は400点満点中350点くらいで、数学は半分もとれていなかったです。
冬に漠然と進学を考え始め、編入するなら専門分野を変えたいとも思っていたため東工大の経営工学系に編入できたらいいなぁ...と思っていました。小山さんのサイトを知ったのもこの時期です。

※1 ネタに飢えてる管理人。すかさず諸事情について聞くも「○×△・・(ちょい重め・・・)そっか。家庭の事情ということにしましょうね」という結論に至っております(あ、かえって気になるってな笑)


【4年】

訳あって部活を春に辞めました。学校の授業は3年のときと同じスタイルで受けていました。夏休みにインターンシップで企業に行き、受け入れ先の企業の方からとてもありがたいお言葉を頂きました。進学を希望している人にとっても、思わぬ収穫があったりするため企業でのインターンはおすすめです。東大の社会基盤学科が気になり始めたのはこのインターンシップが終わってからのことです。9月上旬に初めてTOEICを受けて810点だったので、4年生のうちにTOEICで900点以上のスコアを取れたら東大にチャレンジしようと決めました。
11月初めには研修旅行の全日程が終わった後に東大の本郷キャンパスに行きました。その荘厳な雰囲気に圧倒されたことを今でも覚えています。ゆっくりと時間をかけてキャンパスを練り歩き、以降「東大で勉強したい」と考えるようになりました。志望する進学先のキャンパスに実際に行くと、大学の雰囲気を感じられるだけでなく動機を確かなものにできるのでおすすめです。 研修旅行から次のTOEICまで2週間ほどしかありませんでしたが、なんとか勉強を続け925点を取ることができました。自分で決めた判断ラインをクリアしたため、12月に東大の受験を決意し過去問や数学の参考書を集めたりしていました。
初めて過去問を見たときの感想としては、

数学:2割も取れなさそう。固有値、固有ベクトルとか複素積分ってなに?レベル。微分方程式すら怪しい。
英語:勉強しなくても7〜8割は取れそう。

という極端なものだったため、「英語で8割、数学で6割」という作戦で一次試験突破を狙うことを決めました。やるべきことが数学の対策であるのは明らかだったため、研修旅行後に数学の勉強に取り掛かる予定でしたが、ちょうどそのころ麻雀にドハマりしてしまい編入試験対策そっちのけで麻雀の勉強をしていました笑。ただし、麻雀で長時間考え続ける体力や論理的思考力が培われたため、あながち完全に無益な勉強だったわけではないと思います笑。麻雀に時間を費やしてしまったおかげで過去問による出題範囲の分析と情報収集、テキスト集めが4年の年明けまでかかってしまい、結局編入学試験の勉強を始めたのは4年最後の定期試験が終わった2月上旬でした。


【4年春休み】

【数学】
春休みの数学対策は
1.「ベクトル・行列・行列式 徹底演習」で線形代数を、 森北出版「応用数学 (高専テキストシリーズ)」でベクトル解析、複素関数論を、 「細野真宏の確率が本当によくわかる本 (細野真宏の数学が よくわかる本)」で確率を、大日本図書「新確率統計」で統計を勉強。
2. 「編入数学徹底研究: 頻出問題と過去問題の演習」で上記の分野と微分方程式を演習。
3. 「大学編入試験問題 数学/徹底演習(第3版)-微分積分/線形代数/応用数学/確率-」で同様に演習。
4. 「大学編入のための数学問題集」のA,B問題をこなしながらたまにC問題にチャレンジ。

という流れでした。複素関数論とベクトル解析は完全に独学だったので理論の勉強を重視して取り組みました。春休み(2月と3月)はひたすら数学をやっていました。息抜きに麻雀したり、週に1度はランニングをしたりすることでやる気の維持をしていました。3月上旬にTOEICを受ける予定があったため気分転換に公式問題集を解いてから復習などの勉強はしていましたが、それ以外は数学漬けでした。そのTOEICのスコアが960点となぜか上がっていたので自分でも「なんで??」と思いました。  
Studyplusでの勉強時間の記録は
2月:136時間(英:17時間,数:119時間)   
3月:252時間(英:17時間,数:235時間)
でした。

【英語】
この英語の勉強時間はTOEIC対策の勉強のため、春休み中東大の英語対策は特に何もしていません。春休み終わりごろに東大の数学の過去問に目を通して、5割取れるかどうかという感じだったので少し焦りました。  
TOEICの勉強に使ったテキストを載せておきます。
公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 1」1〜3
3週間で攻略 TOEIC(R)テスト 900点! (CD-ROM・別冊付) (TOEICテスト 残り日数逆算シリーズ)
TOEIC L&R TEST 900点特急 パート5&6 (TOEIC TEST 特急シリーズ)


【5年4月】
春休みの反動であまり勉強しませんでした。願書を書いたり志望動機を練り上げたりしながら、 「大学編入のための数学問題集」のC問題や、「編入数学過去問特訓: 入試問題による徹底演習」のA,B問題を解いていました。
依然英語はノータッチです。この月の勉強時間は101時間でした。この頃はつまらない計算ミスでやる気をなくすたび、気分転換と称してやけにランニングや散歩に行っていた記憶があります笑。

【5年5月】
編入数学過去問特訓: 入試問題による徹底演習」のC問題を解きながら、過去問に手を付け始めました。英語は7割取れそうな手応えがあったので、数学をメインに解いていました。この時点での数学の手応えとしては、本番同様の時間設定で初見で解いて、良くて7割5分、悪いと5割5分というなんとも微妙なものでした。解いた後はわからなかったところを考えてみたり、Studyplusで知り合った同じ東大志望の他高専の人から教えてもらったりして復習していました。ゴールデンウィークは過去問の演習しかしていません。月勉強時間は150時間でした。
余談ですが、5月末におなじみのフォーレスト本郷の宿泊予約を取ろうとした際既に予約で満室だったため、上野ファーストシティホテルに予約を取りました。来年度以降受験する方でフォーレスト本郷を宿泊先にしたい方は早めに予約したほうがいいと思います。

【5年6月】
 英語、数学の過去問演習がメインでした。全部で英語は11年分、数学は22年分の過去問を解きました。過去問の演習にはA4のルーズリーフを使い、自分の考えが明確に伝わるような解答をするように心掛けていました。 さすがに英語の対策ゼロで試験に臨むのは危険すぎると思い、工業英検2級用のテキストを使って和文英訳、英文和訳、英作文の練習をやりました。効果があったかは微妙なところでしたが... このラスト1ヶ月で追いこみをかけるぞ!と意気込んでいたのですが、6月中旬から始まったサッカーW杯ロシア大会の観戦に熱中してしまい、以降あまり家で勉強しませんでした。
やる気が出ないときは教育系YouTuberの「予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」」(通称ヨビノリ)さんの動画で数学(ベクトル解析など)の復習をしていました。この月の勉強時間は148時間、一次試験までの累計は約880時間で、量的にはA4ノート15冊(すべて数学)とA4ルーズリーフ100枚ほどでした。  
一次試験4日ほど前からは東京に行ってからのことを調べたり、荷造りをしたりでほとんど勉強しませんでした。試験直前1週間はあまり勉強できないと見積もっておくのが吉です。試験前日は緊張で眠れないということがないように、地元でキツめのランニングをしてから東京行きの新幹線に乗りました。

【試験】

宿泊先として上野ファーストシティホテルを利用しました。試験日の前日15時くらいにホテルに着き、そこから試験会場までの乗り継ぎを確認した後ご飯を食べてホテルに戻りました。この日本郷キャンパスに向かった際、久しぶりにここに来たなーと思い少し感慨深くなりました。前日は適度な疲労もあってぐっすり眠れたと思います。 試験当日の朝はホテルで朝食を済ませ、軽くストレッチをしてから昼食を買い会場へ向かいました。 試験前にミルクチョコレートを3つ食べ、ミネラルウォーター2口を飲んでから試験に臨みました。これはTOEICの受験を始めたときから続けている、緊張をほぐすための自分なりのルーティンです笑。 試験内容は他の方の体験談で把握できると思うので試験の手応えについて書いておきます。

【英語】
全体で7〜8割くらい。7割を下ることは絶対にないだろうと思いました。

【数学】
1.微分方程式  10割。とても簡単だった。
2.確率       0.5割。全くわからなかった。ほとんど白紙で提出した。
3.重積分?の問題 小問3つのうち2個完答。3つ目は解いていない。
4.複素関数    小問6つのうち5つ解答したが正解は多分3つだけ。試験後間違いに気が付いた。
5.線形代数    9割くらい。

【2次試験まで】
全体として手応えは6〜7割ほど。試験直後6割は超えただろうと思っていましたが、1週間後の一次試験の合格発表までに複素関数の凡ミス2つに気付き、とても生きた心地がしませんでした。2週間後に筑波大学社会工学類の受験があったためそちらの勉強をしなければならない状況でしたが、全く手につかないまま一次試験の結果発表の日になりました。一次合格をこの目で確認したときは研究室でガッツポーズをするとともに雄叫びを上げました笑。 研究室の先生に1回だけ日本語で面接練習をしてもらい、二次試験に臨みました。英語面接だったときは勢いで乗り切ろうと考えていました。

【面接】
 一次試験同様前日に東京入りしました。当日は集合時間より早めに会場へ行き、Studyplusで知り合ったまりぼー氏がき氏と落ち合ってお昼ご飯を一緒に食べてから控室に向かいました。控室でたくさんの人と話をしたのですが、人間的魅力に溢れる人たちばかりで改めて東大に進学して成長したいなと思いました。 面接官は10人ほどいましたが、実際に質問してきた方は5人くらいでした。 以下、面接における質問です。

志望動機は?
社会基盤学科では様々なことを学べるが、特に何を学びたい?
(上の質問に途上国でのインフラ設計や都市空間設計と答えたら)
それって都市工学科じゃなくていいの? 
→そういったことにプロジェクトマネジメント的な視点から関わりたいと答えた。
アフリカのインフラの現状について、何か知っていることは?
将来どういった仕事をしたい?
1,2年次の成績に比べると、3,4年次の成績が著しく良くなってるけどなにかきっかけはあったの?     
→絶対に訊かれると想定していた質問で、準備していたとっておきの回答で面接官の方々に笑って頂けた。
TOEICの点数すごいけど独学で勉強したの?留学経験があったり帰国子女だったりする? (僕は生まれも育ちも日本の生粋の日本人です笑)

とても和やかな雰囲気でときたま笑いもありました。体感としては7〜8分ほどでした。翌日に筑波大の編入学試験を受験しましたが、気が抜けており面接も散々な出来で落ちてしまいました。  二次試験合格を確認したときは嬉しさがこみ上げてこみ上げてきてニヤニヤが止まりませんでした。両親や友達から「おめでとう!」と声をかけてもらう度に、辛い時期もあったけれど努力してよかったと思いました。一次試験合格者全員で二次試験に合格できたので本当に良かったです。


【思ったこと】 

 もう少し学校の先生を頼っておくべきだったなと思います。特に英語は過去問を解きっぱなしで終わってしまい、先生に添削してもらうことなどをしませんでした。自分では気づけないミスは必ずあるため、英作文や和訳は特に添削してもらったほうがいいと思います。 ポテンシャルの高くない僕が、短い期間の勉強で合格できた理由は3つあると思っています。それは
1.英語がほぼ完成していた。
2.心と体のコンディショニングに気を配った。
3.明確な志望動機があった。
の3つです。

1つ目に関しては、本当に英語の勉強を続けておいてよかったと思っています。このおかげで受験までの期間のほとんどを数学の勉強に費やすことができました。  
2つ目は集中して勉強できる状態を維持したり、本番で実力を発揮したりできるように様々な工夫をしたという意味です。具体的には
・毎日三食きちんと食べる。
・少なくとも6時間は寝る。(睡眠時間を削って勉強しない)
・食後30分は勉強しない。
・週に1度は必ず運動する。
・TOEICや試験本番など、大一番に臨む前には決まった音楽を聴いて、チョコを食べて水を飲む。
などがありました。個人的には、こういった工夫は試験に向けて勉強することと同じくらい重要だと思います。特に本番で過度に緊張しないように何らかのルーティンを定めておくと平常心で臨めるのでオススメです。  
3つ目についてです。編入学試験に向けた勉強は数ヶ月(長い人だと1年以上)に及びます。その期間中、やる気がなくなってしまったり勉強の目的を見失ってしまったりすることは誰にでも起こりうることです。僕自身そういったことが数えきれないほどありました。そうなったとき、自分を支えてくれる確固たる志望動機があるかないかで、その後また努力し続けられるかどうか大きく変わってきます。これから編入にむけて準備を始める方には、志望する大学のその学部、そして学科を選んだ理由を明らかにしてから勉強に取り掛かることをお勧めします。  
最後に、小山太郎さんのサイトと今までの先輩方の体験談が無ければ、僕は東大に挑戦しようとすら思わなかったはずです。僕の背中を後押ししてくださった小山さんと先輩方には感謝してもしきれないです!受験期間中は大変お世話になりました。ありがとうございました!

小山太郎:
さーどうでした?

英語凄いですね。TOEIC960とか周りに数人しかいませんよ。それを高専の4年でやってるって(凄
雀氏はポテンシャル高くないと言っているけどいやいやそんなことないでしょ!読んでてわかるのはハマったらの集中力&やりぬくが抜きんでてますよね。なので2年で30位から3年で1位になるのも納得。(最初はマジで!?いやいやと思ったけど^^)
時々、成績がそこまで良くないけど東大編入を考えている人からメールもらいます。雀氏は1位になっちゃってますが2年までは30位とかです。成績がよかった合格体験談がほとんどの中、悪い時期があっても合格することを証明しています。能力あるのにやらなかったから成績が悪かったという話ですが、今成績がそんなに良くない人も高専入ったわけで、真剣にやれば成績上げる事は出来るはず。
1位じゃなくても上位に入って学校長からの推薦書もらえれば受験資格をクリア出来るので、まずは先生に東大編入時に必要な推薦書は何位以上になったらもらえるか聞きましょう。そしてそれ以上の成績を取るようにまずは勉強しましょう。

で、なるべく早めに本郷キャンパスを訪れておきましょう。
少なくとも3年は東大に在籍することになります。可能なら平日普通に授業やっている時期に行くと、東大生活のイメージをより持てると思います。
例えば土日に移動、月曜朝からキャンパス行って夕方前に地元に戻る的なのだと高専も1日休むだけで済みますね^^
管理人も会社辞めて東大編入受験しようと決めた時横浜に住んでいたんですが、実家に帰る前に編入試験について聞きに本郷キャンパスに初めて足を運んだ時のことを覚えていますよ。
「なんかここだけ空気の流れがゆっくりしている」(あれ?笑)
良くも悪くも大学のキャンパスだな〜と思ったし、一度足を運べば「自分で勝手に東大という壁作っていたけどこれは行けそうだな」と。
勿論合格のハードルは高いけど、ポジティブな意識を持てるようになったのは勉強期間において凄く手助けになりましたよ。


【試験結果】 

英語で8割取れていませんが、概ね作戦通りの点数となりました。合格できたのは良いものの、数学の凡ミスは今でも悔しいです。


参考書一覧


英語

数学

 


〜小山 太郎流〜