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きっかけ

社会人になって思ったことがある。
「いかに自分が普通の人間か」ということ。

学生時代は、それなりに良い意味でも悪い意味でも「目立つ」「人より変わっている」人間だと思っていたが、それは言い換えれば「いかに閉ざされた世界に自分が居たか」ということに気づかされた時でもあった。

「何かをしたい」と思っていても、その「何か」が見つからない。
そんな日々を過ごしつつ、とりあえず目の前に置かれている事(仕事)をしっかりやろうと思い、自分の能力を試していた。

そんな時、転機が訪れる。
仕事の関係で札幌から横浜に転勤になった。

横浜に転勤になって、まず感動したのが「テレビでしか見ていなかった都会の街」を体で感じたこと。
行く街行く街に、新たな刺激を受け、仕事は忙しかったが、毎日が新鮮だった。

その中でもよく行ったのが六本木。
そこで、私はやりたい事へのきっかけを見つけた気がする。


その当時、今でこそ大きく東京のシンボル的なものの1つである「六本木ヒルズ」が建設中だった。
「六本木ヒルズ」が建設されていることを知らなかった私は、ある日気になってネットで「六本木 計画」とキーワードを入力し、検索してみる。

出てきた検索結果には、六本木ヒルズという名の再計画。
中でも印象的だったのが、
・ 80年代から計画が始まった
・住民の意見を取り入れたまちづくり

私にとって、それらは壮大で心を打つものがあった。

というのも、学生時代「環境デザイン」を一応勉強していたのだが、正直つまらなかった。
当時の自分の考えが甘すぎたのだが、住民の意見も大して聞かず勝手に自分の好きなものを設計する。そんな勉強にうんざりしていた。(他にも勉強というのが根本的に嫌いであったせいもあるが)

だが、まちづくりに携わるにもどうしていいかわからない。いや、それより知識も全くないに等しい。
それよりも会社時代で思ったことがあった。
「ある程度スタートがよくないと、そこから意見が言えるようになるのにはとても時間がかかる。」
「自分もそうだが、人はなんだかんだ言って、過去を見て判断する」(それだけの実績があるので当然な話だが)


そこで、大学に入ることを決意した。

 

大学選び

大学を選ぶにも、「まちづくりに関する大学はどこ?」から始まった。
やっぱり経済系の大学?とか、社会人入学で言ったら私立か、など。
正直、「編入」というのは考えてもいなかった。

あと、東京の街にすごく刺激を受けており、東京に住み勉強と同時に住むことによる刺激も受けたかったため。
地方は、札幌での長い生活で十分地方に住むことによる刺激は感じたと思っていたから。

この時、2002年10月頃。
この後、編入学(東大)を受験しようと思うようになる。

とある東大院生が、卒業論文に会社で開発したシステムを使うことになり、時々横浜にその人が来たのであった。
当然、私にとって初めて東大生と話す機会であり、日常会話を中心としていろいろ話をしていたときのこと。

私「そういえば、東大にも高専から編入ってあるの?」
東大生「はい、しかも結構高専生は優秀ですよ」

このなにげない会話の一言で、学生時代、毎年留年スレスレ、1年休学し、先生方(しまいには学生課のしらないおっさんにまで)に嫌われていた自分が、東大も視野に入れることとなったのである。

しかし、当然目標は「まちづくりの達人」になること。
「大学は名前で選ぶものではない」と、心に誓っていたので、一旦呼吸を整えて、東大の学科を見てみる。

すると、偶然なのか。
「都市工学科 都市計画コース」というのがある!!
しかも、GIS(会社で関係していた)、デッサン力(一応腕は腐ってても普通以上にはできるつもり)、箱ものを作るというよりソフトな面の計画(これをやりたい)、まさに私にとって理想の学校だったのでした。

受かる自信は何故かあった。
どれだけ難しいかが全然わからず、2教科の試験ということで、単純に高専生と比較し、1年あれば追いつくという安易な計算の元。
要は、私の場合2教科で効率1.7倍(1教科を1として、何事も2つの物事を同時にやると2より落ちるという勝手な計算の元)
ライバルとなる高専生は、現在在学中ということもあり、6教科だとすると、2教科だけを取っても他の教科のせいで結果1.2倍にしかならない。

以上のことを踏まえ、多少悩んだあげく、大学に行くことを決めたのでした。

東大工学部シラバス(2008年度)(アクティブコンテンツの許可が必要)
https://www.ets.t-adm.t.u-tokyo.ac.jp/todaien/pdf/syllabus/index.html

小山太郎が受けようと思った大学(学部)

東京大学工学部 都市工学科

千葉大学工学部 都市環境システム学科(夜間コース)

早稲田大学 社会科学部


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