2019年7月に合格した、しゃけ氏の体験談が送られてきました。
第2号です。
合格体験談書きます!は最初だったんだけど、報告メールにあるように授業サボって受験勉強していたツケのせいで第2弾ですね笑
管理人に報告メール
しゃけ氏:
小山さんはじめまして!
今年度の東京大学の編入学試験に合格しました しゃけ と申します。
合格体験記を載せていただきたいと思いメールを送らせていただきました。
受験のため全く聞いてなかった授業のテスト勉強や、4月から一度も提出していない実験レポートの作成に取りかからなければいけないので提出が遅くなるかもしれませんが、絶対書きます!よろしくお願いいたします。
管理人:
しゃけ氏、令和元年最初の報告ありがとうございます!!
ついつい忘れてて今工学部のページ見ましたよ汗
体験談お待ちしておりますよ!!
自分のページで書いてくださいな^^
きっかけ
編入を意識し始めたのは2年の前期後半あたりだった気がします。そのころはまだ学歴が欲しいというだけの理由でした。物理学に興味を持ち、その道に進むと決めたのが3年後期。4年初めに教員から東大の過去問を唐突に渡され、頑張ればなんとかなるかもしれない…と思ったこと、当時第一志望だった筑波大学に対して、「絶対にここがいいんだ!」という気持ちではなかったこと、そして2年次編入であることが東大を志望したきっかけです。転科を考えていた僕にとってこのプラス1年のゆとりは魅力的でした。
釧路高専(最東端高専!) 電気工学科
第一志望:物理工学科
第二志望:計数工学科
TOEIC
615(2年3月)
785(3年7月)
845(3年3月 これを提出)
到達度試験 物理390/400 数学は忘れました
席次は1位が多かったです
筑波大学物理学類と電通大Ⅲ類も受験しました(どちらも合格)
1~2年前期
授業だけ。この頃から編入勉強をする必要はないと思います。途中で疲れてしまいそうなので。
2年後期
英語
TOEICはさっさと終わらせた方がいいと聞いたので、DUO 3.0、TEX加藤さんの TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問 と公式問題集を買って勉強してました。でる1000は3年でもお世話になりました。かなりおすすめ、必携です!
それとこの時期に寮を抜けました。大正解だった気がします。編入を考えていて、騒がしい環境(高専の寮はどこもうるさいイメージ笑)が苦手な人は可能なら抜けてみるのもいいかも。
3年前期
英語
少しだらけた後、5月くらいにTOEICの勉強を再開しました。2回目に受けるときはまずTOEICについての情報を調べまくりました。TOEICにはスコアアップに役立つテクニックが存在するので、リサーチは超重要だと思います(もちろん、英語力に自信がある人はそんなものに頼る必要はありません)
リスニングが苦手だった僕は、TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リスニング(CD-ROM1枚つき) と公式問題集をもう一冊購入し、「先読み」の練習をしました。これがとても効果的で、リスニングのスコアが290から425にまでアップしました。先読みについては調べるといくらでも情報が出てくるので、リスが苦手な人は見てみるべし。
3年後期
物理
はっきりとしたきっかけはないのですが、物理学に興味をもち始めました。物理学科に編入しようと思い最初に手を付けた本が 物理のエッセンス 力学・波動 (河合塾シリーズ) と、演習本として 良問の風でした。編入勉強を始めるのに高校レベルの本から入るのはおすすめです。というのも、高校生が使う本はとにかくわかりやすい!高校レベルが危ういと大学レベルの物理も当然わからないと思います。
この2つに書いてあることがそこそこ身についたかなと思えた頃、演習力学 ((セミナーライブラリ物理学 (2))) と電磁気学演習 (理工基礎 物理学演習ライブラリ)[新訂版](編入界隈ではおなじみ、黄色い本)を購入しました。最初の一周はどちらもまーーーーーわからないこと(笑)ほぼ解答丸写しでした。でも、物理の先生に質問しながら、高校物理を思い出しながら、周回しているとだんだんわかるようになってきたのでそれはそれでいいのでしょう。挫けず、焦らず、周回すべし!
英語
もう少しTOEICのスコアを上げたいなと思い、冬に勉強を再開しました。リスニングは引き続き先読みの練習(これがあまりよろしくなくて、テクニックに頼りすぎたせいで聞き取る能力が全然向上しませんでした)。リーディングに伸び代を感じ、こちらを集中的に勉強しました。ここで大活躍したのが TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問 でした。これマジですごいです。とにかく周回しまくってほしい。これのおかげで3回目の受験でpart5はノーミスでした(送られてくるスコアシートのグラフを見るとわかる)。もう一つ使ったのが、TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リーディング です。これのいい所はコスパ、コスパの鬼です。これを何周かしたところなぜか問題を解くスピードが大幅にアップしました。TOEICはとにかく周回が重要らしいです。
TOEICに早めにケリをつけるメリットは次の2つにあると感じました。
- 残りの時間のほとんどを数物に使える
- 他の受験生と比べて勉強が進んでいると思えて、自信がつく
簡単ではないですが、3年のうちに800を取れるとかなりアドバンデージ得られると思います。
4年前期
TOEICも終わったし、物理やりまくるぞ!とやる気がみなぎっていたのですが、あるアニメ作品にドハマりしてしまい、それに夢中で4月は何もせず溶けました。
5月以降は反省して物理に取り組みました。
物理
熱力学:スバラシク実力がつくと評判の熱力学キャンパス・ゼミ―大学の物理がこんなに分かる!単位なんて楽に取れる!と 熱・統計力学演習 (理工基礎物理学演習ライブラリ (4))
電磁気学:磁気範囲をやっていなかったのでマセマの電磁気学と電磁気学演習 (理工基礎 物理学演習ライブラリ)[新訂版]
力学: 詳解力学演習 で面白そうなとこだけ 剛体のとこだけでもやるとよさそう
きっかけにも書いた通り、4年初めに教員に東大の過去問を渡され、それからしばらく東大を受験するか迷っていました(3ヶ月間も!) このまま物理ばかりやるのもつまらないし、東大に向けて数学でもやってみようと思い、受験を決意しました。
数学
まずはマセマのスバラシク実力がつくと評判の常微分方程式キャンパス・ゼミ―大学の数学がこんなに分かる!単位なんて楽に取...、複素関数、大学編入試験問題 数学/徹底演習(第3版)-微分積分/線形代数/応用数学/確率-を同時並行で進めました。どれもおすすめです。
4年夏休み
物理・数学
物理は九大理物の過去問と、大学レベルの振動波動を 演習しよう振動・波動―これでマスター!学期末・大学院入試問題 (ライブラリ物理の演習しよう)で勉強しました。編入物理とは別に、前野先生の よくわかる解析力学 を買ってみましたが、この時点では数学力が足りず、少し読んで一旦さよならしました。
数学は上の3冊に加え、ベクトル・行列・行列式 徹底演習 を買って勉強しました。
4年後期(前半)
物理
しばらくはたまに黄色い本をやる程度でした。
数学
編入数学過去問特訓: 入試問題による徹底演習 を2周ほど。あとは編入数学徹底演習を周回し、たまにマセマを復習するという感じでした。
4年後期(後半)
数学
大学編入試験問題 数学/徹底演習(第3版)-微分積分/線形代数/応用数学/確率- の苦手なとこと、図書館で 大学編入のための数学問題集 を借りて面白そうなとこをやっていました。
…それとずっと見て見ぬふりをしていた確率統計の勉強を始めました。使った本は大日本図書の 新確率統計 と 細野真宏の確率が本当によくわかる本 (細野真宏の数学が よくわかる本) です。
物理
物理はここで東大の過去問を解き始めました。6割はいけそうな感じがしていました。
英語
このあたりで英語の勉強を始めました。TEDでリスニングを、【CD3枚付】TOEFLテスト英単語3800 4訂版 (TOEFL(R)大戦略) で語彙力強化を、大学入試英作文ハイパートレーニング和文英訳編 で和文英訳を、テーマ別英単語 ACADEMIC [中級] 02 自然科学編 で英文を読む訓練をしていました。テーマ別英単語は科学に関するトピック(東大の過去問で出た内容もありました)が多く載っているので楽しく勉強できるかなと思います。私はこれの上級も買ってみましたが、語彙、お話が専門的すぎて半分くらい読んでやめました。TOEFLの単語帳はpart3までやるといいと思います。
4年春休み
東大数学と物理の過去問を本格的に解き始めました。
数学
1日1年分のペースで22年分解きました。先輩方の体験談を見る限り、どうやら東大は部分点を多めにくれるように見えたので、それに鑑みるとどの年も6割は切らないかなくらいの手応え。残りの時間は解けなかった問題を解決したり、細野さんの確率本と明解演習 数理統計 (明解演習シリーズ) をやっていたりしました。
物理
これも1日1年分ほど。東大の物理はなぜだか解いていてワクワクしないので(物工志望なのに笑)、やらない問題もあったりしました。神戸大の理物の編入試験の過去問を解いたりもしました。
新しく 名問の森物理 力学・熱・波動1 (河合塾シリーズ) をやってみました。高校生向けの本ですが、この時期にやっても結構勉強になりました。おすすめ!
小出昭一郎先生の 量子力学Ⅰ をチマチマと勉強し始めました。編入試験勉強とは別に始めたものですが、実は面接試験でこれが役に立ちました…
英語
上に書いた本をやりつつ、たまに過去問を解いていました。
過去問を解いていて思ったことが、東大の問題は絶対にミスっては/解けなきゃいけないものとそうでないものがハッキリしているということでした。この「そうでないもの」に対してどれだけ部分点になりそうなことが書けるかが重要だと感じました
それとこの時期にTwitterで同じく編入を目指している人を何人かフォローしました。
彼らとつながりを持ったことはかなり大きかったような気がします。最後の感想で少し触れようかな。
5年4月
春休みに解いた数学の問題の解決できなかったところと自信がないところを先生に聞いていたりしました。物理も同じような感じ。
英語も過去問を解いたり…
この月に募集要項が公開されました。僕は願書の作成に手間取ってしまい、勉強が少しおろそかになってしまいました。春休みの内に内容を考えておくことをおすすめします。
5年5月
過去問への対応は4月と同じ。
物理
筑波の応用理工と物理学類、東工大、京都大、電通大、北大の過去問もいくつか解いてみました。東工大の物理は東大にでそうな問題があったので余裕があれば手を付けてみるといいかも(実際今年似た問題が出題された)
数学
Twitter上で編入勢向けの数学コンテストが開催されることを知り、参加する。編入勢にとって模試とかはないので、これがかなり刺激的で面白くモチベUPに繋がりました。興味ある人はTwitterで「高専 数学コンテスト」みたいな感じでサーチしてみるべし。
ちなみに主催者は現在(2019年7月)4年生で編入志望らしいです。
英語
英語はこの月からガッツリ過去問を解き始め、週1で先生に添削をお願いしていました。
他高専の人と1日1年分を解いて提出しあうという形で英語の解答共有もしていました。
手応えとしては 6割…いくのか? という感じ。最後まで不安が残る科目でした。
物理は、講談社基礎物理学シリーズの 統計力学 と 4年の頃に諦めた前野先生の解析力学の本を読んでいました。
5年6月
試験対策としては新しいことは始めず今までやってきたことの最終確認。
面接の練習を3回ほどしました。思っていたよりうまく受け答えができていると感じ安心。
この月は特筆するようなことはなかったです。「あ~、僕たちの番がくるんだな~ 早かったな~」みたいな感じでしみじみしていました。
試験
前日は 機山館 に宿泊しました。フォーレスト本郷の次に試験会場に近いところのはずです。とくに不満は感じなかったのでおすすめ。
流行りのタピオカドリンクを飲んだり、試験会場の下見をしつつTwitterのフォロワー数人と会ってちょっとお話したりしました。その後ホテルに戻り最終確認をし、就寝。
【一次試験】
試験内容は…誰かが書いてくれてそうなので省略
物理が厄介でした
手応えは英語:8割 数学:7割 物理:5.5割 くらいです
東大は部分点を多めにくれそうな雰囲気があるので、とにかく全部の問題に対して何かは書くということを心掛けました。それと、解けそうだが時間を食いそうな問題は一旦飛ばして後に戻ってくるという形を取りました。
終った後はなんとなく自信がありました。
…とはいえ一次合否発表の日は本当に緊張しました。PCを使う授業中だったので近くの席の人と一緒にすぐ見ました。
番号を発見した瞬間、まだ二次があるのに安堵の涙が流れました。
【二次試験】
前日に他の受験生とラーメンを食べに行きました。幸せな気持ちになれてその日はよく眠ることができたので、食欲があれば前日はおいしいものを食べに行くといいと思います(一緒に行った人は寝られなかったとか言っていた気もするな…)
以下、面接で聞かれたことと応答
- 自己紹介を1~2分でお願いします
→出身、名前、趣味と特技。中学の頃からサイエンスに興味があるということ。物理学の中で特に興味のある分野と、気になる研究室について。数学も勉強したいと思っていて、夏休みに数学のセミナーに参加しに行く予定だということ。 - 卒業後についてどういう風に考えている?
→院進はするつもり。できれば物理学者になりたいと思っているが、もしダメだったとしても物理や数学の知識を使えるようなことがしたい。 - 理論と実験 どっち?
→どちらかというと理論 - 解析力学や量子力学の学習は授業で?それとも自分で本を探して?
→自分で本を買ってやってます。
「おぉ~」と言っていただけました。授業を待ったりせず、自主的に勉強を進めているような学生はやはり好印象なのでしょう。 - 例えば量子力学についてどんなことを学んだか
→「シュタルク効果」について述べた。 - 物理学の知識はどのようなところで得ているのか
→Newton や 日経サイエンス を読んでいます。
面接官は10人ほどで、ほとんどの質問が物理工学科の先生からされたものでした。
圧迫って感じではなかったですが、ゆるゆるという感じでもなかったです。
二次の合否発表の日は結構落ち着いていました。
思ったこと
やる気の維持のため、他高専の人とつながりを持つのは手だと思います。僕の高専で東大を受ける人は僕だけで、一人でずっと勉強しているのは正直しんどかったですが、受験生活後半は勉強を楽しんでいた気がします。
それともう一つ、適度な息抜きは大事。4年前期にハマったアニメは今でも好きなのですが、これがあったから最後まで勉強を続けていけたと思っています。マジで。のめりこむのはもちろんよくないので、ハマりすぎて1ヶ月溶かした僕のことは反面教師として見てください(笑)
「東大なんて雲の上の存在だ」 と思っている人が多いような気がしますが、絶対にそんなことはないと思います。最難関なのは間違いないのですが、真剣に学問を学びたいという人(重要)が努力すればなんとかなるんだと感じました。
最後に 小山さんと先輩方には本当に感謝しています。このサイトがなければ絶対に僕は東大に受からなかったと思います。ありがとうございました!
【最後にプチ情報】
・今年一次突破した人の中に第一志望計数の人が5人いました。受験生の間で噂されていた、「計数と物工は定員2人」説、やっぱりありそうですね。
・今年から追加された化学はそんなに難しくなかったそうです。熱力学の知識で解ける問題もあったようなので、物理で困ってしまったら化学の問題を見てみるといいかも。
・二次試験の日、8号館前に受験生が何人か集まって少しお話していました。楽しかったし、緊張が和らいだので積極的に話しかけにいくことをおすすめします。
管理人
さーどうでした?
「またしてもこのサイトが役に立ったか!」という内容ですね(死んで
最東端高専ということで、管理人も某札幌の今はなき高専に行っていたので最果てさは十二分に知っています笑 札幌から釧路まで300㎞ほど。横浜から名古屋に行くようなものですよ。
同級生で東大受験する人がいなければ孤立しますね(若干煽ってるような^^;)でも今はネットがあるおかげで、同じ目標目指している人と知り合うことも容易になるいい時代になりました。
個人的にはしゃけ氏のスケジュール感凄くいいなと思います。
今までの体験談見てると、席次高い人は受験を意識した勉強の開始時期が遅めだったんですが、先生の薦めもあってか4年前期から開始。ゆとりをもって、しかし意識することで今までより少し多めに勉強することになったかと思います。
毎日30分増やすだけでも365日で見ると10,950分。182時間の差がでます。
10時間勉強したとしても18日間。
18日間あればどれだけのことが出来るか、体験談を見たらわかりますね。
早い分、途中のアニメに夢中になったとしてもある程度カバー出来ます。
というか何故またアニメ的要素が体験談に出てくるんだ!?今年は笑
使った参考書についてのオススメ度合いも、わかりやすさを重点に書いているので難しくて理解に時間がかかる人は習って使ってみてはいかがでしょう?
成績開示
参考書一覧
英語
TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リスニング(CD-ROM1枚つき)
数学
物理