74.干支氏の合格体験談

2020年

2020年7月に合格した、干支氏の体験談が送られてきました。
第1弾です。

今年はコロナの影響によりリモート筆記試験、リモート面接という初の試みだったようですね。
とは言え、試験受けるのにわざわざ東大まで足を運んでという時代でもないことを、ある程度証明できたかもしれませんね。
距離のデメリットがなくなります。来年以降コロナが収まってもリモート試験になると良いなと、個人的に思っています。
随時改良していけばいいし。

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管理人に報告メール

干支氏

こんばんは一次試験に合格していた小山高専の干支です。僕の体験談の内容は参考になる部分が少ないと思いますが小山さんサイトには大変お世話になりましたので少しでも情報を残させてもらおう思いまして基本的に全ての残っているもの(実際の筆記試験の答案等)を包み隠さずこちらのサイトで公開して頂こうと思っております。

管理人

干支氏、初のリモート東大編入試験合格おめでとうございます!!
第1号です。狙ってましたよね!?ね?

さて、体験談ですが。
(最近厳しめな管理人は「こういう事も書いてほしい!」とメディア操作をする)

干支氏

ありがとうございます!多少狙いました笑意外と書き始めると楽しいものですね笑
なるほど、このようにしてあの読みやすい体験談達が作られていたのですね、、かしこまりました、全体的にまた作り直させて頂きます!

改めて干支氏

こんにちは。お陰様でこの度東大から合格を頂きました干支です。こちらのサイトには長いことお世話になりましたので後輩達に参考になると良いなと思い、ご多忙の中とは存じますが僕の体験談を載せて頂けたら幸いです。よろしくお願い致します。

お勧めの参考書は皆さんが紹介されているものとほとんど被りますのでそちらについては今回特に言及致しませんでした。
また面接受け答え準備を本番前に改変したものを添付しておりますのでそちらの方を掲載して頂けたらと思います。得点開示請求はしていますので結果が郵送され次第、ご連絡させて頂きます。
しばらくの間、時間に余裕がありますので何か御座いましたら気兼ねなくご連絡下さい。

きっかけ

筑波大学に行きたいと思い一年の春休みから勉強していました。この時東京大学の体験談を小山さんのサイトで拝見して自分の好きな数学物理英語からの出題だと知りすぐに過去問請求をしました。実際の試験問題を見て基礎的なものばかりだと感じ、時間をかけて基礎を学べば受かりそうだと思い東大を目指すようになりました。

当時のスペック

1年の席次 38/80

トエイック 250点
トエイックは学校で強制的にipを受けさせられましたがテストが始まると眠くなるのでテキトーにマークして寝ていました

基本的な高専での勉強スタイル

僕は勉強中、音楽聞きます(英語除く)。編入に必要ない科目の授業はイヤホンして内職してました(指された時気付き辛いのでオススメしません)。一度だけある先生に内職を注意されて成績を落とされかけましたが、基本的に先生方とは仲良くしていたので寧ろ褒められる事が多かったです()。

定期テストはテスト前に必要なノートやプリントを友人から撮らせてもらい、過去問を解いて乗り切っていました。

数学、物理学は低学年の頃からかなり予習していました2年に在籍中に数学は編入学試験で出題されるほとんどの分野の勉強は終わらせてました。数学の予習方法は高専の教科書をひたすら進めていく、という方法でした。
まずは公式を見て何故それが成り立つのか考え、例題と問を解くという手順で進めていきましたので一週間あれば一冊終わらせられました。どうせ応用方法を学んでもかなり先の編入学試験までには忘れていると思い練習問題はやりませんでした。なので授業が復習になってました。数学と物理の定期試験は編入学試験のつもりで毎回受けてました低学年の余裕のある方は是非予習して下さい。いや受かりたいならやって。編入試がめちゃくちゃ楽になります。

また勉強を教えるのが好きなので友人にめちゃくちゃ勉強教えていて、これがとてつもない基礎理解へつながっていました。
数学でしたら、僕は公式を使う時しっかりその公式が成り立つ理由を理解していないと使いたくならない、という性分でしたので、公式などの基礎的な部分を他人にこの理論を説明できるか?ということを無意識に基準にして勉強していました。また自分の理解が中途半端であっても教える、という状況が良くありました。順を追って教えることで自分の知識が整理されていき、その内容の理解に必要なピースを見つけられた、ということが起きます。またこの公式はこういう見方が出来るのか、と気付かされます。こういう経験的な記憶は残りやすいので是非、人に勉強を教えて下さい

僕は問題集が好きでない(問題集勉強してて、これ本当に編入試に出るの!?って勉強してて不安になる)ので過去問中心に勉強していましたが、これもかなり良い選択だったと思います。過去問を中心にやれば編入学試験で出る範囲の概形が見えてきますので、効率的な勉強に繋がります。しかしその解答を手に入れるのが困難な為自分のミスや勘違いが分かりません。対策として、優秀な友達と一緒に解いて解答を共有することでこの問題はある程度解消出来ます。

2年の席次 2/80
3年の席次 2/80
4年の席次 4/80

トエイック 600点 願書提出時のもので、4年夏に取得したもの(某ウイルスの影響で願書提出前のトエイックなくなってしまった)東大へは未提出です

受験大学

小山高専専攻科 合格
大阪大学基礎工学部システム科学科知能システム学コース 合格
東京大学工学部精密工学科 1次合格 2次合格
大阪大学工学部電子情報工学科 未受験

1~3年

1年

色んな友達と出かけたり、ゲーセンで遊んだりしてました。なんもしてない。授業で物理が好きだと気づきます。

1年春休み

1年間をドブに捨てたことに罪悪感を感じ数3のチャートで微積分を学び数学の面白さに気付きます。

2年前期

高専の数学の教科書を全て取り敢えず1周しました(確率統計を除く)。授業中は基本的にこの内職をしていて、この時はあまり本質的なものは理解していませんでしたが筑波大学の過去問が解けるようになっていました。

2年後期

大学で学ぶ力学の問題や微積分の公式をいかに簡単に導出するか考えて遊んでました(友人に教えるため)。duoをかじり始めました。

2年春休み

荒野行動にどハマりしそれしかしていませんでした。アホです。

3年前期

2年の春休みをドブに捨てたことに罪悪感を感じベクトル解析を用いた電磁気を前野昌弘さんの著書、「よくわかる電磁気」で勉強しました(ベクトル解析は2年で既に学んでました)。往復1時間半の通学中、電車内でduoをだらだらしてました。また小山さんのサイトで数学検定一級を取るといい、という体験談を見ましので過去問を見たところ楽しそうだから力試しに受けてみようと思い受験に向けて確率統計を教習所の待ち時間等で嫌々ながら勉強しました(苦手意識していた確率の面白さに気付きます)。

3年後期

数検1級受かってました。学校から二単位貰えました。理論解説付きで微積分、線形代数、力学、電磁気学の基本的な全ての公式の導出が出来るようになっていました。地方大や東北大等の過去問を友人と解き自尊心を高めていました。

3年春休み     勉強時間 2.5時間/day

結構勉強してました。duoをある程度一通り覚えたところ、色んな英文が読めるようになっていて英語の面白さに気付きました。「ビジュアル英文解釈」という英文の読み方の本を編入仲間から勧められ始めました。これだけで東大の英文読めるようになる良書です。

数学は「編入数学過去問特訓」をやってみたところ第1章以外基本的に全て解けたので一回解いてもうあまりやりませんでした(第一章は高校数学中心で東大受ける人はやたら難しいCの発展問題は傾向的にやる意味を感じないです)。

物理は「基礎物理演習」(例の黄色いやつ)をやってました。また「emanの物理学」(インターネットのサイト)で微分方程式、複素解析を学びその楽しさに気付きました。

4年前期      勉強時間 0.5時間/day

隣のクラスの女の子に勉強を教えているうちにその人に恋しました。その子と五月祭や遊園地、水族館など行って遊び呆けてました。duoだけでは基礎的な単語が全然足りていなかったので英単語ターゲットR1900レベルをだらだらやり始めました。東大編入を目指す人達のSlackのグループに入りました。もっていなかった大学の大量の過去問とその解答を共有してもらえてとても有効に使わせてもらいました。

4年後期      勉強時間 4時間/day

4年前期をドブに捨てたことにとてつもない罪悪感を感じ、阪大や東北大の過去問を授業中と放課後に解きまくっていたら東大の物理の問題が解けるようになってました。英単語ターゲットRをある程度一通り覚えました。熱力学を「emanの物理学」(インターネットのサイト)と「キャンパスゼミのスバラシク実力がつく!熱力学」で勉強していました。熱力学の面白さに気付きました。

4年春休み     勉強時間 5時間/day

英語が比較的やばかったので結構していて、ドラゴンイングリッシュを何十周もしました。英語だけやってるとしんどいので東大の数物の過去問を解いて自尊心を高めていました。

5年4月〜東大受験直前 勉強時間 0時間/day

完全に何もしてません。某ウイルスの影響で学校もなくサイバーハンターというスマホのバトルロイヤルゲームにはまりひたすらゲームしてました。なんかもう全てがどうでもよく感じてました。アホです。

試験前

何もしてません。専攻科の試験があり無事受かってました。

試験当日

専攻科受かったからか、何故か自信がありました。ドラゴンイングリッシュを一周目を通しておきましたが意味なかったです。今年はオンライン試験でパソコンに表示した問題を紙で解くという方法で数学から始まりました。

数学
  1. 微分方程式 簡単でした 10割
  2. 確率統計  複雑な問題設定に気を取られて唯の反復試行の問題だと気づいたのは試験後でした。確率密度関数(x)が常に正(当たり前)という文を読んでいなくてパラメータa、bの条件が揃わず解けませんでした。 恐らく5割
  3. 複素解析 色んな問題が出ました。傾向から少しずれてました。あまり出来ませんでした。 6割
  4. 線形代数 行列のn乗問題で最後の小門以外簡単でした。計算ミスしていなければ7.5割

取らなきゃいけない数学で完全にやらかして絶望していました。

英語

採点基準が本当によく分からないので英語は自己評価入れません

  1. 英文和訳 久しぶりの英語過ぎて良く分からないながらも取り敢えず書きました。他に比べれば出来ました。
  2. 和文英訳 難しかったです。この問題を見て単語が全然分からず絶対落ちると確信してテキトーに書きました。
  3. 長文 パソコンで問題を表示するのですが一枚ずつしか表示出来ないのでイライラしながら問題と文を往復する為スクロールしてました笑

全然読めなかったので内容は人工知能の話だったこと以外覚えていません。僕の解答を見ればわかりますが記号問題すら選択していません。やる気のなさが感じとれますね。

英語は全体を通して良くて5割かな、という感じでした。完全に縁がなかったんだなぁと思い気楽に物理を受けました。

物理

化学で熱力学が出れば難しそうなものは選択せずそっちを取ろうと思っていましたが化学熱力学からの出題で絶望しました。僕は物理好きで結構勉強したのですが、今年の物理は過去1難しかったのではないかと思うくらい難しかったです。

  1. 力学 こまの歳差運動でした。編入試験の過去問を大量に解いてきましたがこれまでは見たことなく、絶対出ないと思ってたので絶望しました。誘導付きだったので分かるとこだけは書きました。 5割?
  2. 電磁気 交流回路をフェザー表示で解く問題でした。高専で電気科だったので出来ましたが計算量が多すぎて全て解くのは困難だったので解法だけ書いて次に進みました。7割?
  3. 謎 質量が等しい多粒子が縦列にバネ定数が等しいバネに繋がれている、という問題でした。錬成振動というらしいです。誘導付きだったので時間いっぱい解けるとこまで解きましたが半分くらいしか終わりませんでした。しかも恐らく間違っています。3〜5割?
一次合格発表まで

根拠のない自信があった愚かな自分を呪いました。間違いなく落ちたと思ったので次週控えていた阪大の受験に向けて勉強を始めました。久しぶりに勉強をして勉強の楽しさを思い出しました。東大に比べて試験はめちゃくちゃ簡単だったのでとても良く出来て、阪大の基礎工は受けた当日合否が出るのですが無事受かっててとても安心しました。大阪に住むのかぁとしみじみしていました

合格発表日

落ちていると確信していたので何も緊張せず、やはりサイバーハンター(ゲーム)をしていました。10時に発表予定だったのですが発表されたのは16時頃でした。同じ研究室の友達も受けていたのでその人が受かってるかな、と楽しみにしていたのですが何故か僕の番号もありました。意味不明過ぎて嬉しさが訪れたのは夜でした。僕の志望動機と大学の求めている人物像が一致したのかもしれませんね。それと高専での成績が多少考慮されているのかもしれません。急いでゴミ箱から受験票等を回収して面接の準備を始めました

二次試験当日

〜実際の面接〜

驚くほど和やかでした。僕が受け答える予定だった内容は面接準備の方の資料で確認出来ると思います。

  • 志望学科教えて
  • 大学でどんな研究したい?
  • 研究内容教えて
  • 部活等でリーダーシップを発揮した、というようなことですが具体的にどのようなことをした?
  • 1年の成績微妙だけど2年以降の成績かなり良いね
    →1年の春休みから頑張った→これからもこの調子でいけるといいですね^ ^
  • 試験の出来は?
    →数学は最低限出来ましたが、英語物理は振るいませんでしたので一次通っててとても驚きました
  • 英語振るわなかったって言ったけど高専の英語の成績良いよね?得意なの?
    →はい!得意だと自負しています![ここぞと食いつきました]
  • オンライン試験の感想教えて
    →問題用紙に書き込めなかったので特に物理では、申し訳ないのですが少し不便に感じました。

まとめ

奇跡的に受かってました。縁があったんですね。僕は編入試験に向けて自分のしたい勉強をしたい分だけのびのびとやってきました。体験談にある勉強時間は正直適当です。他の方の体験談のように1日10時間努力してきた!!みたいな方々とはタイプが異なります。特に苦労なく合格を頂けたのはやはり早期に勉強を始めていたことに尽きると思います。冒頭でも言いましたが早めの受験対策をお勧めします。

・受験生へ

勉強はやりたい人だけやれば良いと思います。適当に良いとこ就職して適当な人生送るには高専は最高の施設だと思います。高い志を持ち、自分の成すべき事をうっすらとでも感じているのであれば選択肢の多い東京大学を目指してみて下さい。受験勉強は勉強は早ければ早いほど楽が出来ますよ。ただ、東大に進学するというのはなにかしら自分の最終的な目的を達成する為の手段であって、それ自体が目的ではないべきです。東大合格に向けて全力で勉強するのは当たり前ですが、東大で出来ることは実は他の大学でも出来ることが少なくないと思うので、その合格に固執せず併願大学を良く考えて選択すると良いと思います。

僕が高専時代培っておいてよかったと思うのはコミュニケーション能力です。人間、1人では生きていけないですからね。勉強に打ち込むのも良いのですが色んな人と話して、関わりを持って、楽しい人生を築いていって下さい。

僕は人当たりは良い方だと思っていますので、東大に進学する(した)先輩として僕に何か聞きたいことや不安なことあれば気兼ねなく僕のTwitter(@etoeto0)までどうぞ。これを読んで下さった受験生の皆さんと東京大学で会えるのを楽しみにしてます。

管理人

さーどうでした?

最初の「基本的な高専での勉強スタイル」だけで十分(ちょっと失礼な管理人)な体験談です。

早い段階からどんどん先に進み学んでおくのは時間に余裕があってもなかなかやらない。干支氏は編入試験とリンクさせて書いているように見えるけど、単純に数学・物理が好きなんだなぁと感じたのは管理人だけでしょうかね?いや素晴らしい。

人に教えるって、自分の理解度は勿論なければ駄目だし相手の理解度にも合わせて説明する必要があるから、様々なパターンも考えるようになったり相当鍛えられますよね。
干支氏のまとめにも書いてあるけど、コミュニケーション能力って大事です。

残念なのは、ゲームとか遊んだとかでドブに捨てて罪悪感を感じるのが多い笑
3回ドブに捨てて罪悪感感じてるという(読んでると試験前もゲームにハマってるので4回か)
そしてその結果が試験にも出ているのかなと。体験談向けに多少盛ってるとは思うけど、それでもこれはマズい。結果合格していたからいいものの、これ通常運転なら不合格なやつかと。

あ、でもこの駄目な部分は真似すると筆記試験は実際厳しい結果になるよ、という意味では体験談全体を読んだほうが良いですね笑

添付書類

面接対策(画像クリックでpdf)

干支面接受け答え準備

成績開示

得点開示がされたので結果を添付させていただきます。やはり勉強時間が如実に現れる結果となりました。