2014年7月に東大編入合格した、sheng氏から体験談第7号が送られました。
おっと!今年合格者の半分が体験談を送ってくれるという。
なんだい、今年は何があったんだ!?あぁ、そうか。このサイトが開設されて10年経つことを皆知ってのことか。(ないない~)
そんな事は置いといて、早速見てみますかい。
~管理人~に報告メール着
sheng氏
小山太郎様。 明石高専建築学科5年の学生です。 この度東京大学に合格することができ、合格体験記へ投稿したいと思い、メールさせて頂いています。
小山太郎流のサイトでは受験勉強前の教材選びなどでたくさん参考にさせて頂きました。私の体験が後輩の方々の参考になるかは分かりませんが、少しでも力になれればと思っています。
~以下省略~
管理人
どもども!まずは合格おめでとうござんっす!! 今年は去年の英語面接のせいか、合格に本気モードの人しか受けてないと思うけどその中で合格はやっぱり凄い。
メールはマジでいつでもいいので。 自分のペースでお願いしますよ^^ 試験内容に関しては他の人が書いてるし、実はちょっと自分もそこ気になっていて。 試験には集中してほしいので、体験談に試験内容載せてくれるのはいいんだけど、 英語終わった後には数学の試験に向けて完全に切り替えてほしいところっす。
sheng氏
お返事ありがとうございます! 夏休みでゆっくりしてるので、早めに書いていきたいと思います。 ちなみに私も去年合格されたたかと氏の学科の後輩で、受験前には色々教えてもらいました。 あさ氏はとっても慕っている同級生です。笑 ホームページに知り合いが多くてなんだか安心です。 ニックネームはshengでお願いします。
管理人
というわけで、あさ氏と同じ明石高専出身ですね。再度書きますが、試験内容は記載しなくてOKです。というか、試験中はそこ気にせず1点でも多く取る事に集中したほうがいいです。過去問ゲット出来るわけだし。
書いちゃ駄目じゃなくって、試験内容は書きたい人が書いてください!
きっかけ
私は高専に入った1年生の時から、なんとなく京都の町が好きだからという理由で京都大学に行きたいなぁ、と思っていました。東大を少しずつ考え始めたのは4年の夏ごろで、4年後期の個人面談で学校の先生から勧められて真剣に考えました。正直東大なんて受かる気がしませんでした。でも、物理が苦手だったこともあり、英語と数学だけの東大の方が京大より可能性があるかもしれないと思い、4年の冬休み前に東大志望と決めました。
1〜3年
学校では部活動のテニスや建築学科の設計課題など、色々なことに取り組んでいました。 授業は真面目に受けていましたが、まだ受験への意識はなく、とりあえず定期テストが取れるように勉強していました。理数科目(数学、物理)が苦手(しかも大嫌い)で、何とかテスト前に覚えてしのぐ、という感じでした。成績はクラスでずっと一番です。 2年から3年の春休みにTOEICを意識して英単語を覚えようと思い、「システム英単語 (駿台受験シリーズ) 」を600番まで覚えました。3年の5月に受けたTOEICIPは535(L315,R220)でした。その後3年のうちに1200番ぐらいまで覚えました。
3年の学習到達度試験では数学が435/500,物理が305/450でした。自分って結構物理苦手やな…と思いました。
3年春休み〜4年前期
春休みに2週間ニュージーランドの語学研修へ行きました。研修でも英語力は向上したと思いますが、研修に行くことでモチベーションが上がり、帰ってからも英単語の勉強を続けられたことが大きかったと思います。
4年の春に受けたTOEICIPは675(L405,R270)、TOEFLiBTは45(R5,L11,S17,W12)でした。 シス単以外は何もしておらず、4年の7月に部活を引退し、ここから受験勉強一筋のつもりでした。
4年夏休み
英語の勉強にもなるだろうし、英語プレコン(スピーチ部門)に出てみよう!と思いたち、11月の近畿大会に向け準備が始まりました。その他デザコンや東北復興支援等、意外に忙しい日々でした。
まだ京大志望だったので、苦手な長文読解対策に「TOEFL TEST対策iBTリーディング 」を始めましたが、単語が分からず長文を読める状態じゃなかったので10日で挫折し、シス単一本にしました。夏休みで3章(1659番)まで覚えました。
苦手な理数科目をするべきでしたが、気が進まず結局ほぼ何もせずに夏休みが終わってしまいました。今でもこれは失敗だったと思います…。
4年10〜12月
英語プレコンは1月末まで続き、その間放課後はほぼ毎日18時~19時頃までネイティブの先生と練習がありました。受験勉強とは違いましたが英語漬けだったので、良い影響はあったんじゃないかと思っています。しかしこの間平日はほとんど勉強ができていません。
英語
シス単を12月にやっと制覇。リーディングの教材を再開し、1日1文読みました。精読から始め、ある程度読めるようになってからは時間を意識して速読の練習をしました。この本は分量が多く、レベルも高いので良いトレーニングになりました。
数学
東大を意識し、苦手な確率を「細野真宏の確率が本当によくわかる本 」で、微分方程式を「高専の数学3 第2版・新装版 」の教科書で復習しました。この時はまだ微分方程式の基本問題の解き方すら忘れている状態でした。
4年1〜2月
授業前や放課後に学校の図書館に通い始めました。
英語
英語の時間を減らし、数学に費やしました。長文読解と、うろ覚えの単語を単語カードで覚えました。リスニング対策として、教科書の音源を毎朝聞いていました。これは受験まで続けました。
数学
「編入数学徹底研究 」を一通り解きました。正直難しくてだいぶ焦りましたが、あわてず確実に力をつけていこうと、分からないところをためては先生に聞きに行っていました。
春休み
自分の進み具合が相当遅いということにようやく気付きました。平均10時間以上は勉強していたと思います。
英語
単語カードとリスニングのみ。3月中旬のTOEIC公開テスト前1週間ほどは模擬テストなど。長文読解の力もある程度つき、この時のスコアは855(L470,R385)でした。この結果で英語は少し安心しました。
数学
「徹底演習 」を一通り解きました。春休みでしたが何度も学校に通い、分からない問題を全て教えてもらいました。未習の複素解析とベクトル解析は裳華房の「基礎解析学 」という教科書で、確率分布は「高専の数学3」で勉強しました。
5年4〜5月
学校が始まりペースが落ちましたが、少しずつでも毎日続けようと思って勉強しました。
英語
学校で受験を意識した長文読解と英作文の演習をしてくれたので非常に助かりました。教材は「 Skill Builder 長文読解演習 入試発展編」と「Write it Right 英作文」でした。また、週に1度、東大受験の補習に参加していました。過去問も週1で時間を測りながら解いて先生に添削してもらっていました。出来はだいたい7~8割ぐらいだったと思います。5月のTOEICIPは850(L435,R415)でした。
数学
「 編入数学過去問特訓―入試問題による徹底演習 」と徹底研究を一通り。週に1回過去問を解いて先生に添削してもらっていました。時間は測っていませんでしたが、出来は5~6割ぐらいでなかなか厳しい状態でした。 5月末に練習で徳島大学を受けました。今までペーパーテストの受験をしたことがなかったので、良い練習になりました。
5年6月
中間テストによる長い自由時間を使って受験勉強に励みました。あと1か月で終わる!と言い聞かせながらやっていました。
英語
和訳に時間がかかっていたので「Improve Your English in Reading (入試長文読解シリーズ) 」で全文和訳をしていました。リスニング対策に「キムタツの東大英語リスニングSUPER (英語の超人になる!アルク学参シリーズ) 」を8番ぐらいまでしました。音質が落とされていて、良い練習になり良かったです。
数学
徹底研究、徹底演習、過去問特訓の3冊の中から大事な箇所を選び復習。「高専の数学 3 問題集 」の問題集で微分方程式を勉強しました。上記の3冊に載っていない解き方があったので急いで詰め込みました。過去問は全部で8年分解きましたが、最終的にも良い時で時間内に6割とれるぐらいでした。ただこの頃には、嘆いてもしゃーないからとりあえずできることだけやっとこ、という感じでした。
試験
宿の予約が遅くなったので少し離れた池袋で前泊し、一度キャンパスの下見をしました。前夜は案の定あまり眠れませんでした。 当日、会場では同高専生がたくさんいて緊張が和らぎました。
英語
試験内容はあまり覚えていないのですが、英訳の問題が少し難しかったと思います。全部埋めて軽く見直すぐらいの時間はあったように思います。うまくいけば8~9割とれたかな、いう感じでした。次の数学が勝負でした。
数学
こちらもあまり覚えていませんが、問1で詰まってしまい相当焦りました。結果的には、
問1、とりあえず全部埋めた。
問2、小問3の途中で時間切れ。
問3、確か半分ぐらい白紙。
問4、これも半分ぐらい白紙。
問5、最後の問題が分かりませんでした。
これはどう考えても落ちたなーという手応えでした。
1次試験結果
もう東大のことは忘れて次の受験に向けて頑張ろう、と気持ちを切り替えていました。そしたら合格していたので本当に驚きました。もちろん面接練習などしていなかったのですが、それ以上に焦ったのが建築学科の受験に必要な自作の作品集がほぼ手付かずだったことでした。当初の予定では2次試験が4日後に迫っていたのですが、日程が延びたので幸運に感謝しつつ準備を整えました。
面接
- 志望動機 将来どんな立場で建築と関わりたいか?
- 竪穴住居復元プロジェクト(明石高専の課外活動)、東北支援はどんな活動だったか?
- これらの体験は建築設計する上で役に立ったか?
- プレコンのスピーチの長さは?内容は?参加人数は?
- (志望動機で)環境やコミュニティを考慮した設計がしたいと言ったが、今、具体的に何か思いつく手法はあるか?
去年の情報とは違い、英語面接も無く全体的に和やかな雰囲気で話しやすかったです。1対7ぐらいでした。どの質問にもそつなく答えられたと思います。
試験結果
どうやって数学が6割に届いたのか今でも不思議です。
思ったこと
英語は単語、数学は公式など、基本をしっかり押さえておくことが大事だと思います。中途半端に色々なテキストに手を出すよりかは、同じものを定着するまで繰り返すのがいいんじゃないかと思います。(私は数学の演習量が明らかに少なすぎましたが…。)
また、分かりやすく教えてくれる先生を見つけることも大切だと思います。私は先生の所へ通いつめましたが、やっぱり分からない問題は先生に聞くのが一番だと思っています。 そして、やはり意識の高い友人がいるのはとても良いことだと思います。一緒に頑張っていると思うと励みになります。ただ、勉強の仕方やペースは人それぞれなので、進捗状況を交換したりアドバイスをしたりしてもらったり、でもあくまで自分のペースを守って、というのが大切なところではないでしょうか。 私の体験が参考になるかは分かりませんが、少しでも今後受ける方の勉強のお役に立てば幸いです。
管理人
さーどうでした?
英語に偏りすぎなsheng氏ですね。やりたくないものはなかなか気が進まない。これ非常にわかります。ここをなんとか克服しないとなんだけど、本当にヤバいと思うところまで来ないと人はなかなか行動に起こせませんね。とは言え、体験談では編入試験に限ったことを書いてるだけで、成績はクラスで1位というところを見ると、十分やっていて、東大編入するにはもっとやる必要があるということですね。今年も14人しか合格してないので、例え通っている高専内で1位でも合格するには更に極めなければなりません。
しっかし、明石高専はやる気ある人にとっては凄くいい環境ですね。18~19時にネイティブの先生と練習や受験を意識した長文読解と英作文の演習って、先生そこまでやるのか!!なにここの先生達・・・凄すぎるな。
その先生のやる気も、生徒が情熱を持ってないと成り立たないのは言うまでもなく、sheng氏の情熱が先生を更に良い方向に導いているんでしょう。教え甲斐のある生徒は先生にとってもいい生徒で、win-winでsね。
参考書一覧
英語
改訂版 Skill Builder 長文読解演習 入試発展編